2003年6月アーカイブ
仕事というほど大層なものではないが、毎日依頼を受けたほんの軽い荷物を運ぶことでなにがしかの収入を得る“運転手のようなもの”をしているぼくにとって、珈琲屋さんは自動車の運転の疲れを癒すための格好の休憩場所だ。
運転手の鉄則は配達は極力早く、そして集荷はお客様の希望の時間に合わせることだ。だから午前中は配達に没頭し、午後は依頼に応じてどこにでも行けるような場所で待機する習慣になってしまった。
だから午前中は名古屋市内、尾張、西三河の街をひたすら走り回る。そして世の中のお昼休みに当たる時間も、道路の交通量が少ないので長距離を走るためには絶好の時間帯となる。
そして、配達が一段落した午後のひとときがぼくのコーヒータイムとなる。
この時間はモーニングサービスやランチタイムを終えて、珈琲屋さんにもくつろげる空間がある。
そんなぼくにとって、珈琲屋さんには安全に車を駐車する場所の確保できる必要がある。ところが都心の珈琲屋さんには“駐車場”が整っていない。もしも公共駐車場のお世話になるとずいぶん高い珈琲を味わうことになるし、横着をして路上駐車をすると、場合によってはさらに一桁か二桁高価な珈琲を飲むことになる可能性がある。
「駐車違反」という危険を冒してまで珈琲を飲みたいとは思わないし、だいいち運転手が交通法規を遵守しないことは、自分の首を絞めるに等しい行為となる。
だから、今のところ中区や中村区(都心)の珈琲屋さんには足が向かない。
そのうち、お休みの日に自動車を捨てて都心にも挑戦したいとは思っているが、まだその予定は立っていない。
サイフォンという珈琲の抽出方法がある。一時日本の家庭でももてはやされた器具で、フラスコと呼ぶ部分にお湯を入れ、ロートと呼ぶ部分に漉し布をつけて挽いた珈琲豆を入れて下から加熱することで沸騰したお湯がロートに留まる時間で珈琲を淹れるという仕組みになっている。
普通の場合(とくに標高が高くないかぎり)では、水の沸点は摂氏百度だから抽出温度も安定している。またこの方式ではふつうのドリップ式と異なり蒸らす時間と漉す時間が一体となっているので、家庭でも安定した珈琲の抽出が可能で、とくに技術を必要としないとされている。
ところが、一般にはサイフォンで淹れる珈琲はやけに“軽い(薄い)”場合が多い。
その原因は“蒸らし”の工程と“抽出”が区別できないので、珈琲豆の持つ特徴をうまく引き出せない点にあるのではないか。
サイフォンの場合、味を制御する方法としては(1)珈琲豆のメッシュ(挽き具合)を工夫する (2)沸騰時間を工夫する、このふたつしか考えられない。
最大の欠点は装置がガラス製なので、洗浄や保管にかなりの注意を要する点と、そして、もっと肝心な点は漉し布の管理が難しい点だ。サイフォンの漉し布の管理ができる人はネルドリップにも挑戦することができる。
一時流行して、多くの家庭で埃をかぶっているジューサーミキサーと同様で、見た目にはとても“良くできた道具”なのに、使うとなるとじつに面倒な道具だといえる。
ところがサイフォンを使う珈琲屋さんもある。どこに魅力があるかというと、客の目の前でロートの中の珈琲豆が踊る姿の“演出効果”は抜群だからだろう。
ぼくが知るだけでも名古屋市内だけで10軒を超える数の「自家焙煎珈琲豆小売」専業店がある。こちらのお店の場合は事態は深刻だ。NTTの言い分では珈琲豆を販売するお店は「喫茶材料」に含むというのだろうが、ぼくら電話帳の利用者が考える「喫茶材料」とは、喫茶店に“喫茶材料”を供給する問屋さんのことを意味する。
「喫茶材料店」のなかも確かに珈琲豆の“小売り”をするお店も多いことは確かだ。
しかし、ぼくらがタウンページをめくって探しているお店は“自家焙煎の珈琲豆の小売り”をしてくださるお店であって問屋さんではない。また「自家焙煎珈琲」の看板を掲げるお店も“問屋さん”をではなく“珈琲豆の小売り”を目指しているだろう。
ところが残念ながら、今のところ「珈琲」で探しても「喫茶」で探しても、このカテゴリーは確立していない。
たぶん「自家焙煎珈琲」の看板を掲げているお店も、電話帳の登録に際して自分のお店のカテゴリーがないことをさぞ不満に感じているはずだ。仕方がないのでやむなくほとんどのお店は「コーヒー専門店」に登録しているようだ。
現に喫茶店営業にあたって「コーヒー専門店」という看板を掲げているお店にはロースターで仕入れた珈琲豆の小売りをする店も多い。
そして、その自分のお店で焙煎した「自家焙煎珈琲」を喫茶店営業すると同時に販売する店も多い。
電話帳では「喫茶店」のなかに「まんが喫茶」と「インターネットカフェ」というカテゴリーを作っているが、こちらは多くの場合同じお店が登録している。実態は同じだからだ。
そんなことより、電話帳(タウンページ)ではほかの多くの業種では「卸」と「小売り」を分類しているのだから、まず「珈琲豆」というカテゴリーを作り、その「珈琲豆」に関しても卸売りと小売りを分類するべきだと思うのはぼくだけではあるまい。
ぼくらが珈琲屋さんを探すときに役に立つものに電話帳(タウンページ)というものがある。
そこで、電話帳で「コーヒー」の項目を見ると、→オフィスコーヒーサービス、→喫茶材料、→喫茶店(コーヒー専門店)、となっている。
そこで今度は「喫茶」のページを開くと、「喫茶教室」「喫茶材料」「喫茶店」「喫茶店(コーヒー専門店)」「喫茶店(紅茶専門店)」「喫茶店(マンガ喫茶)」「喫茶店(インターネットカフェ)」に分類されている。
たぶんNTTの言い分では「珈琲屋」さんは「喫茶店(コーヒー専門店)」だということになるのだが、そこに掲載されているお店を訪れてみると、ぼくが想定している「珈琲屋」さんと大きくかけ離れた『カタチばかりのコーヒー専門店』の数のあまりの多さに驚く。たぶんそのお店も開店した当時は美味しい珈琲を提供する意気込みがあったのだと信じるが、現実はそんなに甘くはないものなのだろう。時の経過とともに店の姿が変わることも、メニューが変わることも仕方のないことだと思う。
ただし、そのお店も地域の中で支持されて営業されているのだから、おおいに存在価値はある。珈琲の味のほかにもたくさんの魅力があるはずだと思う。
だからかどうか最近ではNTTの電話帳の「コーヒー専門店」のカテゴリーに登録しない珈琲屋さんが増えてきた。
そんなお店の珈琲が、ぼくの期待に応えることが多い。
ぼくの手許に珈琲屋さんの作ってくださったお店の地図が随分と集まった。それを眺めると、そのお店のご店主の描く“商圏”を想像できる。あるお店は東京からでも迷わず来店できるような地図を目指しているし、またあるお店はいちばん近い交差点の信号しか表示していない。
名古屋市の場合、西区や名東区、天白区などは地形が複雑なので、言葉ではそのお店の場所をうまく説明できないことが多い。そんな場合は地図はとくに有用なものとなる。
一般には大きな駐車場を備えたお店の方が広い範囲の“商圏”を頭に描いているように感じるが、必ずしも広い商圏を考えて大きな駐車場を用意しても遠くからお客様が来店されるとは限らない。そのお店に“魅力”がなければ、わざわざ遠くから珈琲を飲みに来るお客様はいないだろう。
そして、美味しい珈琲を提供してくださるお店でも、地図を用意しなくても「口コミ」だけで充分宣伝効果を発揮しているお店もある。
そんなお店をよりおおくの人にご紹介したいと考えて、ぼくは今月はぼくなりに地図を用意する勉強を始めることにした。とくに“ツール”を準備するのでなく、手持ちのソフトウエアだけでどんな地図が書けるのか今夜から挑戦を始める。
いちばん簡単な方法は紙に道路を書いて、スキャナで読み込んで文字を加える方法だと思うので、まずこの方法に挑みます。




