【91号】ブルマン神話《1》
世界の山の最高峰といえば「エベレスト」、世界の珈琲の最高峰といえば「ブルーマウンテン」と、少なくとも日本では信じられている。現に日本の多くの喫茶店では「ブルーマウンテン」は他の珈琲の約倍くらいの価格設定がされていて、珈琲通を自称する人たちに愛されている。
そのブルーマウンテンというのはもちろん山の名前で、ジャマイカという名前のカリブ海の島国の標高2200mあまりの最高峰で、その山麓の標高800m から1200mにて産出される珈琲豆だそうだ。それより低地で産出されるものはどんなに品質が良好でも「ブルーマウンテン」とは表示できない。また、世界中の珈琲豆の中で樽詰めにて出荷される唯一のものだという。
その珈琲豆は『美味しいコーヒーの三つの条件、香り、味、コクが完璧なまでにバランスの取れた上品な味わい』(ジャマイカコーヒー輸入協議会のサイトより引用)とされる。
このジャマイカコーヒー輸入協議会のサイトによれば、日本の市場に普及したのは第二次世界大戦後のことで、しかもその生産量の大半は日本に輸出されているという。
戦後の団塊の世代の若かりし頃に、コーヒーブームがあってサイフォンが大いに流行した時期があったと聞く。その頃の記憶を引き継いでいる人々にとっては「ブルーマウンテン」という名前はよほど良い響きだったのだろう。
昨今、珈琲の世界には新しい波が流れ出し、斬新なスタイルの珈琲屋さんが続々と登場している。またシアトル系のカフェも街の中をにぎやかにしている。
これらの新しいスタイルの珈琲の世界では、もはや「ブルーマウンテン」の価値は見直されつつあるのではなかろうか。
『ブルーマウンテン』は、もはや『ブルマン神話』となりつつあるような気がする。





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