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【92号】ブルマン神話《2》

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 ぼくは外国の事情をまったく知らないから、この話題は日本国内に限定する。少なくとも日本では最高級の珈琲豆といえば、まず「ブルーマウンテン」の名があげられる。このブルーマウンテンは世間では「ブルマン」と略称されている。既に「ブルマン」という名前は世間では最も高級な珈琲豆の「ブランド」として定着している。
 喫茶店のメニューにこの珈琲があれば、ふつうのブレンドコーヒーの数倍の価格設定がされている。また珈琲豆屋さんの多くでもこの豆を扱っていて、一番安価な豆の数倍の価格になっている。だから「ブルーマウンテンブレンド」なる商品も存在する。
 美味しい珈琲を飲もうとする一般のお客さんも、(特に好みがない場合には)最も価格の高い珈琲は最も上等であると信じるだろうし、いちばん上等な珈琲ならいちばん美味しいに違いないと考えるのが世間的には妥当だ。

 ここに「ブランド」の魔力がある。誰でも何かを購入するときには、対価を支払うのだから“外れ”を手にしたくないという心理が働く。聞き慣れない名前の珈琲豆よりは値段は高くても「ブランド」で安心を買う人が多い。
 また、珈琲豆の場合「なんとかマウンテン」と名乗るだけでも商品価値が高まる傾向が見られる。
 「ハイマウンテン」とはジャマイカの珈琲のうちで「ブルマン」になれなかった豆だし、「エメラルドマウンテン」はコロンビアの珈琲豆だ。「ガヨウマウンテン」はインドネシア産で「クリスタルマウンテン」といえばキューバ産だ。余談だが「キリマン」はもちろんキリマンジャロという山の名前で、こちらはタンザニア産だ。

 ここから先はぼく個人の好みの問題なので、このサイトの読者のみなさまに強要するつもりなどはもちろんないけれど、ぼくはこの「ブルマン」を美味しいとは思わない。他の南・中米諸国には優秀な農園がたくさんあって、もっと個性的な魅力ある珈琲豆を生産しているし、珈琲の価格もほぼ適正に流通されていると信じている。
 この話題はもう少し続けたいので、次回も「ブルマン神話」について書くことにする。

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