【95号】ブルマン神話《余話》
ぼくはいままでいろいろな喫茶店で珈琲を飲んだが、その中で「ブルマン」を飲んだことはたぶんほんの数回しかない。
学生時代には、身分をわきまえずに何度か飲んだような気がするが、それほど美味しい珈琲を飲んだ記憶はない。
いちばん記憶に新しいのは、尾張地区のある喫茶店で「父の日」の記念だからと、ふつうの珈琲の価格で「ブルマン」と称する珈琲を飲んだ時だろう。その喫茶店にお邪魔したのは二度目だった筈だ。そのお店の珈琲は二度とも美味しいとは感じなかった記憶がある。
また、ある喫茶店でメニューに「ブルーマウンテン」があり、その産地をキューバと表示している喫茶店もあった。もちろん別の珈琲を注文したが、そのお店にはその後は足を運んでいない。完全な勘違いなのか、産地を偽っていたのか、品種を偽っていたのか定かではないが、現在でもそのお店の表示は改まっていないかもしれない。
珈琲豆屋さんでの表示はいちおう信頼できるとしても、ぼくは喫茶店での珈琲豆の種類の表示をどうも信用できない。かなりウソっぽい。
それでも「ブルマン」を注文する客はいる。これを、ぼくは「ブルマン神話」と呼ぶ。





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