【111号】値上げのうわさ
巷間に、珈琲豆の値上げが噂されている。キーコーヒーなどがレギュラーコーヒーの値上げの発表をしたことを報道機関が過剰に増幅して報道し、「日本中の珈琲豆が一割ぐらい値上げするらしい」といううわさが、世の珈琲の愛好家たちを悩ませている。
もともと珈琲の生豆は投機性の高い農産物で、生産地の霜害と過剰生産の繰り返しにより、非常に価格の安定しないものだ。しかも日本に限らず主な消費地では、もちろん珈琲豆を自国では産出していないから、為替相場の影響も大きい。
とはいえ、このような価格の高騰は主に一定の品質水準もしくはそれ以下の安価な珈琲豆に顕著に現れる。焙煎業者さんは輸入した生の珈琲豆を焙煎することにより大きく付加価値を加え販売するのだから、生豆が主要な原材料とはいえ、販売する商品の価格にそのまま直結しているとは思えない。
また円安による燃料の高騰の打撃を被(こうむ)る業者は、都市ガスなどを利用しない大規模な焙煎機を備える場合に限られるような気もする。
だから、独自の方法で高品質な珈琲豆を入手して美味しくて鮮度の高い珈琲を販売する努力をされているような、街の小規模な珈琲豆屋さんには打撃は少ないだろう。
ぼくが探して歩いているような街の小さな珈琲豆屋さんは、こんな絶好の機会を逃さずにさらに研鑽を積んで、美味しい珈琲を適価で販売して、さらにぼくらに美味しい珈琲を供給してくださるようになっていただきたい。





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