【120号】アイスの季節《2》
お菓子屋さんやスーパーマーケットで「アイス」といえば、アイスクリームやアイスキャンディを指す。が、喫茶店や珈琲屋さんで「アイス」といえばもちろんアイスコーヒーのことだ。
そのアイスコーヒーの淹れ方には、いくつかの方法がある。
なかでもいちばん一般的な方法は深煎りの珈琲をお湯で抽出して、それをそのまま冷却する方法で、大きなネルでドリップすれば一度に大量のアイスコーヒーが準備できる。
また名古屋のコンパルのように深煎りで濃いめの熱い珈琲を氷の入ったグラスに直接注ぐ珈琲屋さんもある。また、お湯で抽出した珈琲が薄まらないように珈琲を凍らせた氷を用いる珈琲屋さんもある。なかにはペーパードリップでアイスコーヒーを一杯出しするお店もあり、この場合は必ずしも深煎りの珈琲豆を使用しない。
もちろん一般的にダッチコーヒーと呼ばれるような直接水で抽出する方法もある。アイスコーヒーは「水出し」と謳う珈琲屋さんも少なくない。
そういえば、最近の自家焙煎の珈琲豆屋さんでは水出しアイスコーヒーのドリップパックをよく見かける。さすがに夏の暑い季節には珈琲の需要が落ち込むと思われるので、この季節の珈琲の消費の拡大を図って、店の売り上げの確保を目指しているものだと思う。
珈琲豆屋さんごとに量は微妙に異なるが、紙の袋のなかに一定量の珈琲豆を入れてあって、それを一晩くらい水道水に浸けておけばアイスコーヒーができあがるという触れ込みだ。いわゆるダッチコーヒーの簡易版だとご想像いただきたい。
名古屋(とくに市内でも東半分)は水道水の美味しい町だから気にならないけれど、地方によっては水道水が不味い場合もある。そういう地方の人はこの方法ではおいしいアイスコーヒーには恵まれない。ペットボトルのミネラルウォーターは硬水の場合が多いので、アイスコーヒーの抽出には適さないような気がする。
水道水でも煮沸すればカルキ臭が飛んで、ましな水になるらしいけれど、せっかくお湯を沸かしたのなら、そのお湯でアイス用の珈琲を抽出できる。
というわけで、ぼくはどうもあのドリップパックを購入する気にはなれない。





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