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【127号】襟裳岬

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 この有名な歌謡曲は森進一の1974(昭和49)年の作品で、その年にいくつかの歌謡賞を受賞したヒット曲だし、彼の代表曲ともいわれている。
 それまで演歌一筋だった森進一がこの曲と出会って新らしい境地を発見した、記念すべき一曲だろう。


君は二杯目だよね コーヒーカップに
角砂糖 ひとつだったね
捨てて来てしまった わずらわしさだけを
くるくるかきまわして
通り過ぎた 夏の匂い
想い出して 懐かしいね
襟裳の春は 何もない春です

《作詞=岡本おさみ:作曲=吉田拓郎:歌唱=森進一》

 現在ぼくは珈琲を題材にした日本の音楽(歌謡曲やポップス)を探している。が、なかなか珈琲を美味しそうに飲む風景には出会えない。やっと発見した珈琲や喫茶店は、出逢いや待ち合わせの単なる小道具として使われているだけの場合が多い。
 ところがこの「襟裳岬」ではたぶん歌の主人公の彼女は、なんと珍しく珈琲のお代わりをしている。二杯目の珈琲に角砂糖を入れて、それを溶かしている風景で、過去の思い出を断ち切りあたらしい生き方を探す風景を描いているようにも感じる。
 歌詞の内容は断片的でこの情景を鮮明に描いていないが、最後の

遠慮はいらないから
暖まってゆきなよ

 という部分がとても印象的だ。熱い珈琲で、体も心も暖まっている情景が目に浮かぶ。
 ぼくは数ある戦後歌謡曲のなかでも名曲の部類に入れたい、と思う。

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