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2007年5月アーカイブ

 最近では珈琲の美味しそうな喫茶店(珈琲屋)さんの前を通ると、そのお店の外観からだけでも何となく特有の「匂い」を感じるようになってきた。「匂い」といっても珈琲そのものの匂いではない。雰囲気でそれを感じるのだ。
 まず、清楚なお店全体の外観や心地よいデザインの屋号を記した看板、大きな文字で「珈琲」と書かれた暖簾などからその雰囲気を知ることができる。逆に美的感覚を無視したモーニングサービスの表示やフェルトペンなどで手書きされたランチメニューなどの存在の気になるお店の珈琲の味は期待できない場合が多い。
 ドアからお店に一歩足を踏み入れると、一層確実な情報を得ることができる。落ち着いた佇まいのなかに品位を感じられる調度品や装飾品を発見できれば、その珈琲屋さんの珈琲の味にはある程度期待ができる。逆に、そのお店の中に薄汚れた内装とか、雑多な装飾や整理整頓されていない空間を感じたら、美味しい珈琲を期待できない場合が多い。

 また、珈琲を飲みたい衝動に駆られているときに、本当に淹れたての珈琲の香りを感じたら、そのお店には一度は邪魔してみる価値がある。ただし、焙煎機の廻るやや焦げ臭い“黄粉”のような香りを感じた場合には、そこに珈琲屋さんが存在することだけを憶えておいて出直したほうが無難だ。現在焙煎中の珈琲豆が果たして本当に美味しい珈琲になってくれるかどうかは、まだこの匂いからは判別しかねる。
 むろんそのお店が自家焙煎の珈琲豆屋さんなら、足を運び焙煎直後でない珈琲豆を少量(ぼくの場合は100g)購入してみるけれど…

 もちろん本当にそのお店の珈琲が美味しいかどうかは実際に飲んでみなければ分からないことは言うまでもない。

裏切られることも多いので~

◆ニューウェイブ◆

 ちょっと話題がそれるが、珈琲豆の生産地と消費地における珈琲の生豆の流通にも変化が起きた。

 従来の珈琲の生豆は、その生産地の地名、標高、品種、豆の粒の大きさ、欠点豆の混入度、などで大まかな分類をして評価されて出荷されていて、いわゆる商品先物取引の対象にもなっている。その年ごとに生産量や霜害などで大きく相場が変動するからだ。
 それに対して、1990年前後から生産国と消費国にスペシャルティコーヒーと呼ぶ流通の運動が発生した。スペシャルティコーヒーとはごく簡単に日本語に直訳すると「特選珈琲」となる。従来の選別では評価されないようなおいしい珈琲豆の生産者の農園に正当な評価を与え、農園(生産者)の名前を明記して従来とは別の経路で消費地に送り、焙煎業者や珈琲屋さんを経てぼくら消費者においしい珈琲を届けようという運動だ。
 そこで各生産国と米国を主体として消費国に「スペシャルティコーヒー協会」という組織が設立された。
 この組織では、優れた生産地の農園で生産・精製された珈琲豆を選りすぐり、場合によっては品評会を催して、既成の流通経路とは別に消費地へ送られ、街の珈琲屋さんや自家焙煎珈琲豆販売店を経て、ぼくらのような消費者の手許にまでおいしい珈琲が届けられる。
 従来の珈琲専門店のメニューにはストレートコーヒーに生産された国名あるいは国名・品種・グレードが表示されていたのに対し、最近の自家焙煎珈琲店の多くでは生産された農園名や生産者の名前、場合によっては精製方法までが書かれていることがあるのをご存じの方が多いと思う。これらの珈琲は従来の流通経路とは違う手法で消費地に届けられた珈琲豆だと考えてもよい。
 これらの珈琲のなかの多くがスペシャルティコーヒーと呼ぶにふさわしい「おいしい珈琲」だといえる。
 日本茶の場合には普及品と高級品ではすこぶる価格の落差があるが、珈琲豆の場合にはそれほどの差はない場合が多い。希に品評会のチャンピオンの珈琲の場合には100g1,000円を超す価格設定がなされている場合もあるが、これはごく例外的だと思う。それでもあのおいしくないブルーマウンテンよりはよほどお値打ちであるし…
 また消費国の大手焙煎業者の中には、生産国に直営農場を持っていて、その農園名を冠しているばあいもあるし、街の珈琲屋さんのなかには品評会で落札経験のある農園から、その後継続的に直接買い付けている場合もあるようだ。
 また「グルメコーヒー」と称する珈琲も見かけるが、この用語のもつ意味合いにはやや曖昧な要素を感じる。
 いずれにせよ、生産者が正当な評価を受けたいという願いと、消費者が優れた珈琲豆を入手したいという欲求の両者が生み出した新しい珈琲の流通が生まれ、今後も大きく育ちつつある。
 ぼくはこの運動を珈琲の世界の「ニューウェイブ(新しい波)」“New Wave”だと考えている。ちなみに先回の記事の「ヌーベルバーグ」と今回の「ニューウェイブ」は仏語と米語で「新しい波」、どちらもご存じのとおりで映画運動の用語。

今週も【休刊】

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 おかげさまで、あたらしい職場の寛大な経営者はぼくのような無能なものでも雇用してくださることとなったことをまずご報告いたします。
 新しい仕事と環境に一日も早く慣れて収入に応ずる労働をすべく、日々ぼくなりにも最大限の努力をすることが当面のぼくに与えられた課題であり、そのためにはどこかを犠牲にすることはやむを得ません。
 よって、この「近所の珈琲屋」のサイトはごく一部の「ブログ」を除き一時中断させていただきます。おそらく最低でも一ヶ月くらいは新しい情報を得ることの困難な状況が予想されます。

 故に、当面はこの「週刊・近所の珈琲屋」も『休刊』させていただきます。

悪しからず~~

愛読者のみなさまにお詫びとお知らせ

 愚生、約半年近くものあいだ「失業者」の生活を謳歌していましたが、この度5月よりあたらしい仕事に挑むこととなりました。まだ「試用期間」中につき、今度の仕事をいつまで続けられるかは不明です。また、今度の環境での仕事の休養日もまだ定まっていません。
 というわけで、少なくとも現状では体力的にも精神的にも時間にもこの「週刊・近所の珈琲屋」を含め『近所の珈琲屋』のサイトにあたらしい記事を追加するココロの余裕がありません。
 よって、とりあえず今週の「週刊・近所の珈琲屋」を『休刊』させていただきます。
 次週以降の発刊については追ってご報告させていただきますが、発刊日の変更も予想されます。最悪の場合には「廃刊」も危惧されています。

みなさま、悪しからず~

 

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