【158号】家庭でも珈琲を《1》
まずはどうしても必要な道具をそろえる
珈琲を飲むために絶対に必要な道具といえば、まずは珈琲茶碗(カップ)と匙(スプーン)、お湯を沸かす道具(一般にはやかんなど)以上だ。あとは各人の好みの抽出器具が要る。
珈琲茶碗といっても特別なものでなくてもよい。なければ大きめのふつうの湯飲みでも構わないが、できれば取っ手のついた茶碗が扱いやすい。取っ手がないと、熱い珈琲を飲むときに手が熱い思いをする。またカップ&ソーサーといって、皿がついている場合が多いけれど、家庭で珈琲を飲むときにソーサーは必要がない。ただソーサーがあれば朝食のときのトーストを乗せるためには絶好だ。
だから手頃なマグカップでも十分だし、陶器はいずれ割れる運命になるから、洗面台に置くような琺瑯(ほうろう)製の取っ手のついたカップも案外に重宝する。そういうぼくも学生時代は琺瑯カップを愛用していた。
匙(スプーン)も上等なものは要らない。砂糖やミルクを使わない主義の人はなくても構わないし、匙がなければ箸でも「ちりれんげ」でもよい。
これだけの食器があれば少なくともインスタントコーヒーやカップオンドリップコーヒーを飲むことができる。と書いたけれど、ここまではどの家庭にも、どんな貧乏な学生さんの下宿にもまず人数分は揃っている。
だから、ここまでは前置きで問題は抽出器具の選定だ。
テレビや映画を観ていると、ネルドリップやサイフォンを使う場面をよく見かけるが、ぼくらの周りでいちばん普及している抽出器具はなんといってもペーパードリップ方式だ。愚見ではこれがいちばん安価でしかも扱いやすい上に気軽に美味しい珈琲を味わうことのできる方式だ。珈琲を一回淹れるたびに数円の費用が必要だけれど、ネルを保存する手間と比較するとはるかにこちらのほうがお手軽だ。ちなみにサイフォンでもネルを使う。
という訳で、ぼくはもう何十年もペーパードリップの愛用者だ。次回は抽出器具についてちょっとだけ詳しく記す予定。
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