【167号】コーヒーショップで
久々に流行歌の話題を。
この「コーヒーショップで」は当時名古屋の民放ラジオでディスクジョッキーをされていたあべ静江さんの1973年のデビュー曲だ。
二番からなる歌詞は珈琲を唄ってはいない。あるコーヒーショップの客とマスターとの会話を主題としている。
古くから 学生の街だった
数々の青春を 知っていた
城跡の石段に
腰おろし 本を読み 涙する
人もいた
そんな話を してくれる
コーヒーショップのマスターも
今はフォークの ギターを弾いて
時の流れを 見つめてる
歌詞のどこにも珈琲は登場しない。ところが歌の中からは淹れたての珈琲の香りが漂う。
歌詞の著作権に抵触することを承知の上で二番の歌詞も途中まで引用する。
服装や髪型が 変わっても
若い子はいつの日も いいものだ
人生の悲しみや
愛のこと 打ち明けて 誰も皆
旅立った
そんな話を してくれる
コーヒーショップの マスターの…
(以下、略)
以前、取り上げた「学生街の喫茶店」と似たような情景に感じる人がいるかもしれないけれど、あの歌では客が自分たちでボブディランを聴いて、それを懐かしんだだけだ。
こちらの「コーヒーショップで」ではマスターの目を通じて時代とともに入れ替わってゆく学生たちの無垢な心情を懐かしみ、この歌の主人公である客にも素直にそのことが伝えられている。
珈琲そのものを唄った歌ではないけれど今になって聴いても「佳作」だと思う。ちなみに作詞は阿久悠、作曲は三木たかしによる。
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