【171号】コーヒーはきらい
なつかしいヤマハポピュラーソングコンテスト(通称ポプコン)全盛の時代に「あみん」という名古屋の女声デュオがいて「待つわ」という自作の曲で優勝したことがある。1982年だったはずだ。この「待つわ」は大ヒットして今でもカラオケでは定番になっているし、NHKの「のど自慢」でもよく聞く。
この「あみん」(この場合はグループ名につき呼び捨て)の活躍した期間は非常に短く、ぼくはこの一曲以外にはヒット曲を知らない。
先日たまたま中古CD屋さんで彼女たちのベスト盤を発見したので買ったら「コーヒーはきらい」という曲が入っていた。
これは松岡恭子さんという方の作詞・作曲で彼女たちの作品ではない。ややフレンチポップスを意識したような旋律で「失恋」を唄っているなかに、こんな歌詞がある。
...おそらく「だれものまないコーヒーを...」と唄っているのだから、このときに彼女は自分の分の一杯と、その彼の飲むはずの分の二杯のコーヒーを淹れたのだろう。そしてそのコーヒーの味のことには無関心で、ただ「コーヒーはきらいよ」と言っている。
今日も朝から雨の中
ついてないわとつぶやいて
だれものまないコーヒーをひとりで入れてたの
コーヒーはきらいよ 季節はかわっても
コーヒーはきらいよ 次の恋をしても
コーヒーはきらいよ あなたを忘れても
ぼくならおそらくこんな気分の時にコーヒーは飲まないだろう。こういう場合には、ほんとうはもっと適した飲み物がある。それに自分の失恋のせいで、コーヒーを悪者扱いするのは、あまりにもコーヒーにたいして失礼だ。
それはまぁ唄の世界だからよいことにしておく。
不思議なことに彼女たちの「あみん」というグループ名は、さだまさし(男性には敬称をつけない)の『パンプキン・パイとシナモン・ティー』(1979年、アルバム『夢供養』収録)に登場する喫茶店「安眠(あみん)」から取ったらしい。
おそらく彼女たちは珈琲を嫌いではないのに違いない。だからこの曲を唄っても気合いが入らなかったのかもしれない。
トラックバック(0)
このブログ記事に対するトラックバックURL:
/425





コメントする