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【171号】コーヒーはきらい

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2008_02_18amin-scan1_1.jpg なつかしいヤマハポピュラーソングコンテスト(通称ポプコン)全盛の時代に「あみん」という名古屋の女声デュオがいて「待つわ」という自作の曲で優勝したことがある。1982年だったはずだ。この「待つわ」は大ヒットして今でもカラオケでは定番になっているし、NHKの「のど自慢」でもよく聞く。
 この「あみん」(この場合はグループ名につき呼び捨て)の活躍した期間は非常に短く、ぼくはこの一曲以外にはヒット曲を知らない。
 先日たまたま中古CD屋さんで彼女たちのベスト盤を発見したので買ったら「コーヒーはきらい」という曲が入っていた。
 これは松岡恭子さんという方の作詞・作曲で彼女たちの作品ではない。ややフレンチポップスを意識したような旋律で「失恋」を唄っているなかに、こんな歌詞がある。

...
今日も朝から雨の中
ついてないわとつぶやいて
だれものまないコーヒーをひとりで入れてたの
コーヒーはきらいよ 季節はかわっても

コーヒーはきらいよ 次の恋をしても
コーヒーはきらいよ あなたを忘れても
 おそらく「だれものまないコーヒーを...」と唄っているのだから、このときに彼女は自分の分の一杯と、その彼の飲むはずの分の二杯のコーヒーを淹れたのだろう。そしてそのコーヒーの味のことには無関心で、ただ「コーヒーはきらいよ」と言っている。
 ぼくならおそらくこんな気分の時にコーヒーは飲まないだろう。こういう場合には、ほんとうはもっと適した飲み物がある。それに自分の失恋のせいで、コーヒーを悪者扱いするのは、あまりにもコーヒーにたいして失礼だ。

 それはまぁ唄の世界だからよいことにしておく。

 不思議なことに彼女たちの「あみん」というグループ名は、さだまさし(男性には敬称をつけない)の『パンプキン・パイとシナモン・ティー』(1979年、アルバム『夢供養』収録)に登場する喫茶店「安眠(あみん)」から取ったらしい。
 おそらく彼女たちは珈琲を嫌いではないのに違いない。だからこの曲を唄っても気合いが入らなかったのかもしれない。

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