2008年5月アーカイブ
この本の著者が「カフェ・ロラ四銃士」のドンである、ケンだ。彼は名古屋の歯医者さんをリタイアして、ニューカレドニアという南の島で珈琲農園を作っている。
彼が島の土地を手に入れたのが1988年で、実際に移住して栽培をはじめたのは2000年だというから、まだ最近の話で、どうやらまだまだ本格的な軌道には乗っていないらしい。いずれにせよ、我々庶民にとってはまるで夢のようなお話であることは間違いがない。
この著書によれば以前はこのニューカレドニアでも珈琲の栽培がされていたが、この島国でのニッケル鉱の採掘事業が収益を上げるようになり、栽培がされなくなっていたという。現在も彼はこの地で珈琲栽培の事業に取り組んでいる。この本で、そのいわば「苦労話」が語られている。
おそらく彼は有能な歯科医であり、有能な投資家でもあるのだろうし、はるか南の島で、物欲や金銭欲に乏しい代わり勤労意欲にも乏しい島の人たちと手を組み、珈琲農園を開設し珈琲の収穫を目指す努力は涙ぐましいものを感じる。
とはいえ、珈琲農園の事業で収益率を高めるために、加工工場を造り、栽培から選別・焙煎まで一貫工程を構築してしまった。珈琲豆を焙煎して製品として輸出するという。
この経営手法には珈琲を飲む習慣をもつ人間の一人として、驚くと同時に素朴な疑問を抱く。もしも焙煎後の珈琲の劣化が激しいことを承知の上で、この手法を採用しているのなら、収益だけを優先していて、消費者を軽視した投資事業の発想のようにも感じる。

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「カフェ・ロラ四銃士」
著者 松本 健
発行 有限会社東京文献センター
2008年3月11日
ISBN:978-4-925187-98-5
去年の6月に「準自家焙煎珈琲店」という定義をしてみたことがある。2007年6月10日付けの【第147号】の記事中で、おいしい珈琲を提供したいけれど自家焙煎の技術を持たないからと、信頼のおける自家焙煎珈琲豆店の焙煎した珈琲豆を使っている珈琲屋さんのことを、ぼくは勝手に『準自家焙煎珈琲店』と定義した。
その記事の中では、焙煎した豆屋さんの名前を表示しない場合がほとんどだというようなことを書いたが、ここのところお邪魔した珈琲屋さんのなかには「当店の珈琲はどこそこのナントカ珈琲店の珈琲豆を使用しています」と表示する珈琲屋さんが増えてきたように思う。
インターネットの急速な普及で、地方の「自家焙煎珈琲豆店」の知名度も向上されてきた。また「自家焙煎珈琲豆」という言葉の持つ地位も、数少ない「珈琲ファン」のものだけではなく、随分と一般にも世間で認知されてきたのだろう。仮に、ぼくら客がその供給元の「自家焙煎珈琲豆屋」さんの名前を知らなくても、実際においしい珈琲を飲んでみて気に入れば、だれでもその珈琲屋さんにまた足が向く。
お客それぞれに好みがあるように、お店ごとに珈琲の味には好みがあるだろうし、しがらみもあるのかもしれない。だから珈琲屋さんごとに個性があり、これがまた楽しいものになる。ごく一部には「自家焙煎珈琲」と謳うだけで実際には焙煎を他店に頼る珈琲屋さんの存在もあるが、あえてここではそういうお店については触れることを避ける。
ともかく、少なくとも今の名古屋の街の喫茶店事情を大まかにいえば、ごく一部の大型チェーン喫茶店の空虚な繁盛ぶりを除けば、珈琲屋の世界でも、厳しい淘汰が存在している。実際においしい珈琲を提供していない珈琲屋さんはかなりの速度で廃業を余儀なくされて、常においしい珈琲を提供する努力を惜しまないお店だけが生き残るという現実がある。
また、自家焙煎珈琲豆店も、小売りにだけにとどまらず、いわば「零細だが高品質な珈琲の焙煎業者」としての地位を確立しつつある。
だから、ぼくら客の立場でいえば「当店の珈琲はどこそこ‥‥」という表示のある珈琲屋さんなら、安心しておいしい珈琲を味わうことができる。今後とも、この傾向がどんどん増加してくれるよう願う。
「喫茶店」と「珈琲屋」の違いを定義することはとても難しい。また「カフェ」という呼び名になると、もうこの言葉の意味は使う人により千差万別で、言葉の定義の範疇を超えて使われている。
ここで愚生なりの「喫茶店」と「珈琲屋」の使い分けを説明させていただくことにする。
【1】「喫茶店」には必ず飲み物以外にランチなどのフードメニューがあり、その多くでは定食のほかにもスパゲティやピラフ、カレーライスなどが提供されるのに対し、「珈琲屋」ではフードメニューは限定されているか、または全くない場合が多い。
【2】「喫茶店」には新聞・雑誌(とくに漫画や週刊誌)が必須で、外交の営業社員はもとより地元の主婦や老人がヒマをつぶすことができるのに対し「珈琲屋」では新聞は置いてない場合もあり雑誌も週刊誌などでなく、グラフ雑誌やムックが置かれている。一寸した書籍や絵本などもよく見かける。
さて、ここからが今回の主眼なのだが、
【3】「喫茶店」では時間をつぶすことを前提にしているので「禁煙」の店は少ない。最近では禁煙席がある場合が増えたが、おそらく「店内禁煙」を謳っては客はすぐに遠のく。
それに対し「珈琲屋」ではおいしい珈琲を提供することに重きを置いていて、ホット一杯で数時間も粘るような雰囲気ではないし、したがって「店内禁煙」のお店が多い。
また、お店により「禁煙」の言い分はいろいろあるが、
「おいしい珈琲の味と香りを楽しんでいただくため‥‥」という場合が多い。
とはいえ、もちろんそのお店のマスターが喫煙癖のある場合には「禁煙」を謳わない傾向がある。
もう、ここからは余談になる。
いまのところ愚生は、飲食店のなかでもラーメン屋さんでは「禁煙」を掲げたお店に遭遇した経験がない。ただしラーメンが美味しくてカウンターの後ろに席を待つひとがいるような人気のラーメン屋さんでは、仮に灰皿が置いてあっても『食後の一服』はお店をあとにしてから吸うのが常識だろう。
また「お蕎麦屋さん」では「昼の部のみ店内禁煙」というお店をよく見かける。ぼくはこの表示を見ると急に不愉快になる。
「昼の客は食べたらとっとと銭を払って帰れ!夜の客は、まぁ酒でも呑んで料理を食べてゆっくり時間を掛けてうんとたくさん銭を払え!そのかわりたばこぐらいは吸わせてやろう」
と、行間に透明な墨で大きく書かれているような気がする。
そりゃ、天ぷらや刺身をならべて酒を呑めばさぞ美味しかろうが、あいにくぼくは禁酒中だし、それでなくても常に運転手だから酒は呑めない。いくら喫煙が可とされていても、こんな蕎麦屋には夕方以降の時間に決して行きたくはない!
あたらしい情報を三件ほど~
1】 ほんとうに久しぶりに北区の「葉豆屋」さんにお邪魔したら、営業時間に変化があって閉店が21時30分(LO21:00)になっていた。またお店の脇にお菓子屋さんと野菜屋さんができていた。
2】 西区内の裏道に興味ある珈琲屋さんを発見したが、あいにく定休日らしく営業されていなかった。近日中に再訪したい。
3】 同じく西区の伽羅さんにお邪魔してみたがちょうどお昼だったのでサンドイッチを食べてしまった。
このお店のサイトによれば独国製の高速焙煎機が売り物だが、店内で飲ませるブレンドは別の焙煎機によるものらしい。また店頭でもブレンドは焙煎済みの状態で販売されていた。
このお店にも要再訪だ。
1】瑞穂区と名東区の「六古窯」さんが定休日を月曜日にされた模様(祝日の場合は営業)とのお知らせを、愛読者のかたからいただいた。年中無休ではなくなったので要注意です。
2】しばらく前から豊田市の「茱萸茶屋(ぐみちゃや)」さんが長期休業されてる、との情報を得た。もしやこのまま廃業されるやも?
3】瀬戸市の「くつろぎ珈房かえで」さんは、どうやら廃業されたらしい。
【余談】どうも「週刊・近所の珈琲屋」の背景画像に飛行機は似合わないので(飛行機でおいしい珈琲を飲んだ記憶がない)朝日に変更した。じつはこの写真は若狭湾の日の出の風景で、数年前に海釣りの時の撮影のもの。旧式のコンデジの画像だが、背景画像にならこんなスペックのデジカメでも充分だね★
まず先週の「珈琲と発がん性」の記事内に「NHKオンライン」の記事を無断転載したことをお詫びしておく。リンク先を明示して「引用」の形式をとりたかったのだが、アーカイブされた記事のURLが発見できなかったので無断転載をさせていただいた。ただし、おそらくこの文章はニュースでアナウンサーが使った原稿そのままだと思われるので、個人サイトでの転載にはさほどの罪悪感は抱いていない。
さて今週の話題は「喫茶と喫煙」に関して愚見をすこし。
昨今「禁煙」が正義のように叫ばれていて、役所、病院などの公共施設や、飛行機、列車やタクシーはもちろん、高速道路のサービスエリアや飲食店でも「禁煙」のステッカーが目立つようになった。
確かに以前から、たばこには「百害あって一利なし」と言われている。疫学的な調査資料でも「喫煙」と「肺がん」の因果関係は実証されている。だからというわけどないけれど、ぼくのように喫煙の習慣のあるものにとっても、短時間の滞在の飲食店での「禁煙」はさほどの困難ではない。
また、これらの閉鎖空間には喫煙者と嫌煙者が混在することになるから、たばこを遠慮することは良識のあるものにとってはごく普通のマナーだろうとも思う。
病院の禁煙化に関してはまったく別のファクターが絡んでいるので、ここでは触れない。
ぼくの実感では珈琲屋さんのうちおよそ四分の一くらいが『禁煙』の表示をしている。それらの珈琲屋さんでは「珈琲の薫りを愉しむため」とか「受動喫煙の防止のため」とかが『禁煙』の理由にされている。間違っても「店主禁煙中のため」という表示は見かけない。
さて、残りのおよそ四分の三くらいの珈琲屋さんで「喫煙」を可としているわけだが、その場合に、その理由を店頭に表示しているお店は皆無だ。
たまたまご主人と会話をしていて禁煙の話題になったときに聞いた話では「そりゃ珈琲とたばこはつきものでしょ」とか「禁煙の車でお仕事をされている方が一服されるのが喫茶店の目的でしょ」とかおっしゃる。ぼくのような喫煙者にとってはじつに嬉しい気分だ。
ところが、そういうぼくの場合、最近では珈琲屋さんでの喫煙を実際には自粛している。その理由は至って簡単で、隣の席にたばこの嫌いな人がいるかもしれないという配慮だ。珈琲屋さんの滞在時間はせいぜい30分、ご店主と話し込んで長くなっても一時間以上の滞在はあり得ない。そのくらいの時間たばこを吸わなくても辛抱できる。気分よくその店をあとにすれば、ブーブの運転席には灰皿がある。
そいえば先日来この「近所の珈琲屋」のサイトでご紹介している珈琲屋さんの「店内禁煙」の表示を見直していたら、やはりぼくのお気に入りの珈琲屋さんには「禁煙」の店が圧倒的に多いことに気づいた。
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だからこの際、ぼくも「禁煙」しようかなとも考えつつある。たばこ代は年間で総計すると案外馬鹿にならない金額になるし~
といいながら、こんなカードはちゃっかりと入手済みだ。
この「喫茶と喫煙」の件は次回に続く予定。
昨日のNHKニュースで以下のような内容の報道がなされた。
コーヒーをよく飲む女性は飲まない女性に比べて子宮の内膜のがん「子宮体がん」になりにくいことが、東北大学を中心とする研究グループの調査でわかりました。特に閉経後の女性で効果がよりはっきりと現れていました。東北大学を中心とする厚生労働省の研究班は、宮城県内の80歳未満の女性およそ320人を対象に、コーヒーを飲む量と「子宮体がん」と呼ばれる子宮の内膜のがんの発症との間に関連があるかどうか調べました。その結果、子宮内膜のがんのうち、女性ホルモンの影響を受けやすい種類のがんについては、コーヒーを飲む量が多ければ多いほどがんになるリスクが低くなっていることがわかりました。
具体的には、コーヒーを毎日2杯以上飲んでいたグループは、週に1~2杯しか飲まないと答えたグループに比べて、がんになるリスクがほぼ半分になっていたということです。特に閉経後の女性で効果がよりはっきりと現れていました。研究班のメンバーで東北大学医学部産婦人科の伊藤潔准教授は「コーヒーに含まれているさまざまな成分が総合的に作用してがんのリスクを下げると考えられる。どの物質が最も影響しているのか突き止められれば将来的にがんの予防や治療に役立てることが期待される」と話しています。
いつもこの手の報道に接して考えるのだが、たった320人の調査で疫学的な傾向が実証されるのだろうか。仮にこれが3200人の調査で、その中の発症率の数字まで公表しているのなら信頼するに足りるが、たったの320人の調査で、こんなに大きく断定的な公表をしても良いのだろうか。
こんな報道が世にはびこると、銭儲けにたくましい業者から近々「コーヒーサプリ」も発売されるかもしれない。




