【193号】エスプレッソで眠れない
杏里さんが「エスプレッソで眠れない」という歌を歌っている。
彼女の初期のアルバム「哀しみの孔雀」の2曲目で、翌年シングルカットされていて、「思いきりアメリカン」というベスト盤にも収録されている。ぼくはこの音源を以前から探しているのだが、まだ名古屋の中古CD屋で発見できずにいる。
赤い靴はいてた男のコではじまるこの曲では、
誘ってくれたらどこまでもと続き、そのあとリフレインで何度も「エスプレッソで眠れない」と歌っている。
ついて行ってもよかったのに
またあえるかなぁ またあえるかなぁ
エスプレッソで眠れない‥‥
あの有名なヒット曲の「オリビアを聴きながら」で、
ジャスミンティーは眠り誘う薬と歌った彼女がまさか「エスプレッソで眠れない」はずがない、と思う。
日本では、90年代からの米国シアトル系カフェの流行とともに急に流行が広まった、この「エスプレッソ」という珈琲だが、その基礎はもちろんイタリアの珈琲の流儀で、たった7gの極深煎りの珈琲を極細挽きにして、沸騰したお湯の水蒸気の圧力で抽出した苦い珈琲のわずか30mlくらいをデミタスカップでグイッと飲むことを基本としている。
珈琲豆のなかのカフェインは熱で分解するから、焙煎度が高い(深煎り)ほど、また抽出温度が高いほどカフェインの含有量は減少する。だからエスプレッソにはカフェイン量は少ない。「エスプレッソで眠れない」というのは完全に誤解だ。
じつはこの曲の作詞者は、ぼくの嫌いなコピーライターとして名の高い糸井重里で、彼自身がエスプレッソという珈琲についてほとんど知識もなく、ただ雰囲気だけで書いた作品だったのではないだろうか。少なくともこの曲の歌詞からは、詩的な雰囲気が味わえない。
ところがもう一方の尾崎亜美さんの「オリビアを聴きながら」は、優れて詩的で洗練されたな内容だ。
だからこそ、様々な歌手に歌い継がれている。これは好対照だ。
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んんん…糸井重里が嫌いなのは構わないのですが、わざわざ曲をけなすために取り上げたのでしょうか? 詩的かどうかはともかく、曲自体は佳曲だと思うのですが……?
▲通りすがり さま
杏里さんや、この曲が嫌いではありません。陽気でリズミックなこの曲を聴いてると眠気が吹っ飛ぶような気のする明るいよい曲でしょう。曲想はやや安易ですが…
ただ、もしもこの曲の描くようなシーンにぼくがいたら、
「濃いめの苦くて甘いエスプレッソでも飲んで、ゆったり眠りたい♪」
と、唄いたかった、と思います。
当時の若かった糸井重里はエスプレッソの愉しみ方を知らなかったのでは?
ということが、ぼくの論旨です。
なるほど~、丁寧な御回答ありがとうございます。
エスプレッソ、私も眠気覚ましのつもりで飲んでいたので、
今後はちゃんとカフェインの有無にも気を配ります。
▲通りすがり さま
もともと珈琲のカフェイン含有量はさほど多くないそうです。
本気で眠気を醒ますなら、濃い煎茶がよいそうです
「泰平の眠りをさます正喜撰たった四杯で夜も眠れず」
なんちゃって~